2019年4月5日

マウスピース型矯正(インビザライン®)001:iTeroスキャニング(デジタル3D 口腔内スキャナー)を導入しました

※マウスピースの材料は厚生労働省に認可を得たものを使用していますが、インビザラインは完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

 

この度、マウスピース型矯正装置(インビザライン®)の診断・設計を、よりスムーズに行えるように、デジタル三次元口腔内スキャナー(新型iTero エレメント2®)(写真1)を導入しました。歯列模型のようなデジタルデータ(写真2)が、口の中のスキャニングで得られます!

 

新型3Dスキャナー(iTeroエレメント2®)(^^)(写真1)

〇写真1 デジタル三次元口腔内スキャナー(新型iTero エレメント2®):現在、マウスピース型矯正装置(インビザライン®)を使用した歯列矯正治療(歯並びの改善を行う治療)に活用出来るように、院内で準備を進めております。

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〇写真2 歯列のデジタルスキャニングデータ(三次元データ)

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そこで今回は、「3Dスキャナーを使用してどのようなことが出来るのか?」について解説したいと思います。

 

 

これまで、マウスピース型矯正(インビザライン®)を開始する際には、歯並び(歯列)の診断のため、デジタルX線写真撮影などと共に、シリコン印象材という粘土のような材料を使用して、歯列の型取りをしておりました。また、その型に石膏を流し込んで、歯列模型(石膏模型)を作製し、口の外で歯列の診断をしていた訳です。

 

 

従来の歯列の型取りでは、印象材(粘土のような材料)が硬化するまでの間、お口を閉じることが出来なかったり、印象材が喉の奥に流れ込んだり、またそれによって嘔吐反射を生じたり、患者さんにとって不快なことの多い処置でした。一方、3Dスキャナーでは、歯列を光学スキャニングしますので、口の中に、材料が入ることがなく、処置中にお口を閉じることも可能です(写真3)。お口を閉じた時は、その続きから、再度、スキャニングを行えば良い訳です。

 

 

つまり、患者さんにとって、より快適にマウスピース型矯正をスタートすることが出来るようになると思います。

 

 

〇写真3 スキャニング中の様子:口の中でピカピカと光りながら、3Dスキャニングが進みます。

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すでに海外では、3Dスキャナーによる光学スキャニングの導入事例が増えており、3Dスキャナーのスペックも日々進化をしてきました。今回、インビザライン®を提供しているアラインテクノロジー社から、スペックの向上した新型スキャナーが発売されたため、当院も導入を決めました。

 

 

上下歯列のスキャニングを行うと共に、咬み合わせの型取りもデジタルで採得することができるため、デジタル処理により、上下歯列の咬合した画像がスキャナーに取り込まれます(写真1)。お口の中で、上下の歯列を別々にスキャニングした後に、噛んだ(咬合)状態をスキャニングすると、上下歯列が咬合したデジタル三次元データが得られます。

 

 

また、これまではマウスピースを作製する技工所に、模型等を輸送していた訳ですが、これからは歯列データをクラウド(オンライン)上でやり取りすることができるため、輸送にかかる時間が削減され、患者さんの待ち時間の減少につながります。

という訳で、運用開始に向けて、スタッフ一同、努力したいと思います。