宇都宮市平松3丁目、産業通り沿いの歯科医院「亀井歯科・矯正歯科」 院長の亀井英彦(日本歯科専門医機構認定 歯周病専門医)です。
根管治療シリーズの3回目です。前回は、根管に触れる前の環境づくり(隔壁とラバーダム防湿)についてお話ししました。今回は、もうひとつの準備 ── 根管の中を「見る」ための道具についてです。
根管は、肉眼では見えません
根管は太さが1ミリにも満たない細い管で、歯によっては複数に枝分かれしていたり、途中で大きく曲がっていたりします。この構造は歯ごとに異なり、同じ歯種でも患者さんによってまったく違う形をしています。
肉眼だけでこの構造を把握し、正確に処置することには限界があります。当院では、根管治療に臨む際に2つの「見る道具」を使い分けています。
CBCT ── 治療の前に、根管の地図をつくる
CBCTとは、歯科用のコーンビームCTのことです。通常の歯科用レントゲンは二次元の画像ですが、CBCTは三次元で撮影できるため、根管の本数、走行、湾曲の方向、根の先の病変の大きさや位置を、治療に入る前に立体的に確認することができます。
たとえば、上の奥歯(上顎大臼歯)には通常3つの根がありますが、そのうちのひとつにもう1本細い根管が隠れていることがあります(MB2と呼ばれます)。こうした根管は通常のレントゲンでは見つけにくく、CBCTで事前に存在を確認しておくことが、見落としの防止につながります。
マイクロスコープ ── 治療中に、根管の中を拡大して見る
CBCTが「治療前の地図」だとすれば、マイクロスコープは「治療中の目」です。
まず、身近なものを、マイクロスコープで見ると、どれくらい見えるでしょうか。旧千円札をマイクロスコープで見たときの画像です。お手元の千円札と見比べてみると、眉毛や瞳、背景の模様など、肉眼では見えないものが、はっきり見えると思います。
根管治療用のマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使うと、肉眼の数倍から数十倍に拡大した視野で根管内を確認しながら処置を進めることができます。根管の入り口の位置、内壁の状態、破折線の有無など、肉眼では確認が難しい情報を、拡大視野のもとで判断します。
これは、一例ですが、被せ物の脱離で来院された方のケースです。脱離部の歯の中をマイクロスコープ(低い倍率)で見てみました。ここでも、なんとなく歯根のコンディションが悪いことに気づきますが、さらに拡大すると、見える景色が大きく変わります。
破折線の染色剤(メチレンブルー)で歯根内部を染色した際のマイクロスコープ画像(高い倍率)です。
これはまた別のケースです。歯根破折した歯を、抜歯し、それをマイクロスコープで見た画像です。中心部に水平に見える細い線が、破折線です。破折線の周囲だけ、口腔内細菌による感染が進みますので、破折線を中心に歯周組織(赤〜ピンク色の薄い組織:歯根膜)が喪失しています。
「見えている」ことが、判断の質を変える
患者さんに、「この歯、もう抜くしかないと言われたのですが」とご相談をいただくことがあります。そのほとんどは、抜歯すべき歯です。しかし、CBCTで立体的に確認し、マイクロスコープで拡大して見てみると、まだ処置の余地があるケースは、本当にごく一部ですが存在します。
もちろん、見えたからといってすべての歯を残せるわけではありません。ただ、「見えていない状態で判断する」ことと「見えた上で判断する」ことには、大きな違いがあると考えています。
次回は、実際に根管の中を成形・充填する道具 ── ロータリーファイルとガッタパーチャポイントについてお話しします。
ご来院をお考えの方へ
当院は宇都宮市平松3丁目、産業通り沿いにあります。北からお越しの方は、産業道路入口交差点(国道123号・通称「石井街道」との交差点)を南へ1400m、進行方向左手。南からお越しの方は、平成通との交差点を北へ300m、進行方向右手。フトン巻きのジロー平松本町店さんやクリナップ宇都宮ショールームさんから見て、産業通りを挟んだ斜向かいで、隣は田中商事さんです。敷地内に17台分の無料駐車場をご用意しています(敷地内は全面禁煙)。

















