2019年10月31日

ウォッシャーディスインフェクターを導入しました

こんにちは。宇都宮市平松本町の亀井歯科・矯正歯科です。

この度、滅菌消毒設備としてウォッシャーディスインフェクターを導入しましたので報告します。

 

 

ウォッシャーディスインフェクターは、器具に付着した微生物、唾液や血液などに含まれるタンパク質の除去を目的に、高圧洗浄、すすぎ、熱水消毒、乾燥などを、自動で行う洗浄消毒機器です。家庭用食器洗い機の「医療機器バージョン」のようなイメージでしょうかw

 

 

当院が導入したウォッシャーディスインフェクターは、ドイツのミーレ社製(Miele) ジェットウォッシャーという製品で、歯科医院(開業医)が導入するウォッシャーとしては、高機能で容積の大きな機種です。

 

 

小学生の息子がこれを見て、真剣な顔で「なにこれ?金庫??」と聞かれましたが、金庫ではありません (^^)

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歯科治療で用いる器具は、洗浄、消毒を行った後、滅菌(高圧蒸気を利用したオートクレーブ滅菌)を行いますが、最大の滅菌効果を得るためには、滅菌前の洗浄・消毒工程で、タンパク質の付着や病原性微生物の数を限りなく少なくすることが重要とされています。

 

このような理由から、滅菌前の洗浄消毒をより徹底するために、ミーレ ジェットウォッシャーの導入を決めました。

 

そんなジェットウォッシャーが、何をしているかと言いますと、、、、

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スイッチをONすると、自動プログラムが動き始め、、、

☞最初に20℃の水で予備洗浄を行い

☞その後、洗剤を使用して55℃の温水で5分間洗浄を行い

☞次に、20〜55℃の水で十分にすすいだ後

☞93℃の熱水で5分間の熱水消毒を行い

☞最後に、最高93℃の熱風にて乾燥を行います。

しかも、洗浄・消毒時の水量は「500㍑/分」で、この多量の温水が高圧循環し、ヨゴレを落とします。この洗浄消毒プログラムの主な特徴は次の3つです。

 

 

特徴1.器具に付着する見えない血液や唾液中のタンパク質を徹底的に除去します

60℃を超えると、タンパク質が熱変性し、タンパク凝固するため、プログラム前半の洗浄工程は、20〜55℃の大量の温水で、適切にタンパク質を除去します。

 

 

特徴2.温度管理された大量(500㍑/分)の温水が高圧循環しヨゴレをしっかり落とします

「500㍑/分」の多量の温水が高圧循環し、徹底的にヨゴレを落とします。

 

 

 

特徴3.国際規格 ISO15883に適合した熱水消毒で病原性微生物を不活性化します

熱水を用いる消毒法において、その熱水の温度と作用時間によって、消毒のレベルが分類されています。

 

歯科器材の一部には、鋭利で侵襲性のある器具がありますが、国際規格では、このような器具に対し、滅菌前に「90℃で5分間(Ao=3000)」のレベルの消毒をすることが要求されています。

 

 

ミーレ ジェットウォッシャーの「93℃/5分」という熱水消毒工程は、国際規格で要求される消毒レベル(Ao=3000)(前述)を大きくクリアしており、これは「微生物を殺滅する」という高水準消毒に相当し、B型肝炎ウィルスや耐熱性病原体も不活性化するレベルです。

 

 

もちろん、ジェットウォッシャーによる洗浄☞消毒☞乾燥工程は、この直後に行う滅菌効果を最大限に引き出すことが目的です。

 

要するに、より高水準のキレイな器具が、常に使用出来るということです(^^)

 

 

 

 

そして、もうひとつ導入した重要な理由が、医院スタッフ(医療従事者)のためです。

 

一般的に、治療で使用した器材のうち、医療用グローブ、滅菌ガーゼ、マイクロブラシ、デンタルフロス、フッ素塗布用トレーのようなディスポーザブルな材料(使い捨て出来るもの)は、治療終了時に捨て、それ以外のもの(ピンセット、歯科用ミラー、細い金属製の器具、金属製トレー、抜歯に使用する道具、ハンドピースなど)を、洗浄〜滅菌工程に回します。

 

しかし、ただ洗浄と言っても、唾液や血液などが付着した器材を流水で手洗いするだけではいけませんので、、、、当院では、以下の6段階を洗浄〜滅菌のルーティーンとしてきました。

①タンパク分解酵素を含有したタンパク質除去洗浄剤に浸漬

②流水下で手洗い

③洗浄剤の入った超音波洗浄機で洗浄消毒

④流水下ですすぎ

⑤乾燥

⑥高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)

 

これは非常に手間のかかる業務ですが、患者さんを感染から守るための不可欠な業務で、手抜きが許されない業務のひとつです。(この洗浄〜滅菌ルーティンから外れる特殊な器材もありますので、その場合は、このルーティーンとは別に、他の薬液に浸漬する作業工程を個別に行っています。)

 

そういった理由から、歯科医院に勤務する歯科衛生士や歯科助手は、表で患者さんに接する業務を行うほか、裏ではこのような洗浄〜滅菌作業を日々行っているのです。当院のような小規模医院でも、一日に5〜6回は滅菌業務を行います。

 

この写真は、ウォッシャー内に、25人分の治療で使用する基本的な器具を並べたところです。これらを、洗浄☞消毒☞滅菌しています。歯を削る器材(ハンドピース)や歯のお掃除に使用する器材などは、これらとは別に、注油・洗浄☞滅菌という工程があります。

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手洗いは素手では行えませんので、必ず医療用グローブを装着してから業務に当たります。しかし、歯科器材には鋭利なものも多く、手洗い中に、グローブや指を傷つけたりするリスクや、それに伴い、血液・体液などに曝される感染リスクが無いとは言えません。

 

ウォッシャーディスインフェクターは、自動で行う洗浄消毒プログラムを備えることで、高いレベルで患者さんの感染を予防し、さらに、手洗い作業時の医療スタッフの感染リスクを大幅に減らすことが期待されます。

 

また、人手による作業では、洗う人によって、残留タンパクが異なるという論文データもありますので、ジェットウォッシャーの導入により、労力の軽減だけでなく、一度に多くの器材を常に高い品質で洗浄消毒できることが期待されます。

 

 

そして、これまで手洗いに費やした労力を、ほかの本来の業務に専念できると言うわけです(^^)/

 

 

 

 

当院は、平松本町で、一般歯科治療と矯正歯科治療をしている歯医者です。平松本町、東峰町、下栗町、峰町、石井町から来院される患者さんが多くおられる一方で、宇都宮市内だけでなく、鹿沼市、高根沢町、上三川町、真岡市、芳賀町、さくら市などからも、お車でお越し頂いております(医院前に駐車しやすい17台のパーキングがあります)。