2016年9月16日

歯の中の神経の治療(大学出張、塩尻)

9月16日に非常勤講師として松本歯科大学に出張しました。歯学部4年生に対する歯内治療学基礎実習のインストラクターとして、学生教育を担当してきました。

 
今回の実習内容は「歯の中の神経の治療(抜髄)」です。抜髄とは、虫歯が進行し歯の神経に炎症が生じたケースに対し、歯の中の神経を取り除く治療です。昔に比べると、日本における虫歯自体の数は減少しているものの、いまだ日常臨床でよく遭遇するケースです。

 
以前にも、書かせて頂いた通り、歯根の内部は、見えないというだけでなく、個人差が大きく非常に複雑な構造をしています。つまり、よくイラストで見るような、シンプルなトンネル状の構造ではなく、場合によっては、クモの巣のような、アミダくじの線のような、個性的な構造をしています。治療では、主に細い針のような器具(患者さんごとに滅菌された器具)を使用し、炎症の生じた歯の中の神経を除去します。そして、神経が除去された後の歯根の中の空間に、生体に対して害のない固形のお薬を詰めて密閉します。抜髄も、「知識」「技術」「根気」と「治療時間」を要する治療です。

 

治療しなければならないケースでは、全力で処置をしますが、治療しなければならない状況になる前に歯科を受診し、できるものなら予防に努めることが、オススメです(^o^)/ なぜなら、虫歯や歯周病を予防することこそが、歯の寿命を延ばすことに寄与するからです。